【2026年版】民泊規制まとめ|豊島・中野・大阪で何が変わる?既存物件の次の使い道

日本の住宅街を俯瞰したイラスト。一軒家が並ぶ中に静かな家がある

公開日2026年10月26日

2026年に入り、民泊を続けにくくするルールの変更が各地で相次いでいます。国が立地規制の考え方を改めたことを受けて、東京23区や大阪で条例の見直しが進み、新しく始められないだけでなく、すでに営業している施設も対象になるケースが出てきました。

この記事では、公表されている資料をもとに、国の方針と主な自治体の動きを整理します。そのうえで、使えなくなった物件や、営業日数が減った物件にどんな選択肢があるのかを考えます。

本記事は公開時点の公表資料をもとに作成しています。最新の内容・個別の物件の扱いは各自治体等にご確認ください。

国の方針が変わった:ゼロ日規制の条件付き容認

2026年7月15日、厚生労働省・国土交通省・観光庁の連名で、都道府県や保健所設置市などに向けて「住宅宿泊事業法に規定する届出住宅に係るゼロ日規制等について(技術的助言)」が通知されました。

「ゼロ日規制」とは、特定の区域で民泊の営業日数を実質ゼロにする、つまり営業を認めない形の規制です。国は2017年12月に示したガイドラインで、この規制を「適切ではない」としてきました。今回の通知は、その考え方を改めるものです。

どんな場合に認められるのか

通知は、次のような場合に、自治体の判断で「合理的に必要と認められる限度において」規制を行えると整理しています。

  • 住宅地や教育施設の周辺で、宿泊者の頻繁な往来によって静穏な居住環境や教育環境が損なわれるおそれがある場合
  • 住宅地などで、定住人口や地域コミュニティの維持が困難になるおそれがある場合

規制の内容としては、新たな民泊の実施を禁止することのほか、営業できる日を土日祝前日などに限定することも挙げられています。

既存の施設も対象になりうる

事業者にとって重い内容がここです。通知は、すでに多くの民泊が立地して現に生活環境が著しく損なわれているなど強い必要性が認められ、ほかに適切な対応策がない場合には、既存の届出住宅に対しても、一定の猶予期間を設けたうえで制限を設けうるとしています。

あわせて、騒音計や出入口のカメラを設置してモニタリングを行い、過去1年分などのデータを保存することを条例で義務づけることも考えられる、としています。

自治体別の民泊規制:いつから、何が変わるか

主な自治体の動きを、「いつから」「何が」「既存施設にも影響するか」の3点で整理しました。各自治体の公表資料で確認できた内容のみを記載しています。

自治体いつから何が変わるか既存施設への影響
豊島区2025年12月15日施行
既存施設は2026年12月16日から
区内約70%のエリアで新設を全期間制限。区内全域で営業を年間120日(春・夏・冬休み)に制限あり
中野区2027年4月 施行予定制限区域に第一種・第二種住居地域と準工業地域を追加。制限区域内は家主同居型のみ区域制限は遡及適用なし/事業系ごみの契約書提出は遡及適用あり
葛飾区2026年4月1日施行旅館業で従事者の常駐と1日1回以上の巡回を義務化。民泊は滞在中の毎日巡回が努力義務あり
大阪市特区民泊の新規受付は2026年5月29日で終了
旅館業の条例改正は2026年10月30日施行
特区民泊の新規認定を停止。旅館業は宿泊者の滞在中、従業者の常駐を義務化認定済みの特区民泊は従来どおり営業可

豊島区については、既存施設への適用が迫っていることもあり、豊島区の民泊規制で既存物件はどうなる?で詳しくまとめています。

なお、新宿区についても住居系地域での民泊規制を強化する方針が報じられていますが、2026年10月時点で区の公式サイトに改正内容の公表はありません。現行のルールは「住居専用地域では月曜正午から金曜正午まで実施できない」というもので、今後の動きは区の発表をご確認ください。

規制の理由は、どの自治体でも共通している

条例改正の資料を読むと、きっかけになっている苦情の中身はよく似ています。

  • 夜間の騒音:宿泊者の話し声や生活音が、住宅地の静けさと合わない
  • ごみ:家庭ごみとして出されてしまい、集積所や近隣とのトラブルになる
  • 無人運営:その場に誰もいないため、何かあっても止める人がいない

中野区が2026年3月にまとめた資料では、2026年1月31日時点で区に寄せられた苦情が住宅宿泊事業231件、旅館業208件と報告されています。苦情の内容として、民泊についてはごみ、宿泊者による騒音、制限区域内での平日宿泊に関するものが多いとされています。

つまり問題にされているのは「住宅地で人が泊まること」そのものというより、夜間に、管理する人がいない状態で、不特定の人が出入りすることです。どの自治体の改正も、常駐・巡回・ICT管理といった形でこの点に対応しようとしています。

既存物件にどんな選択肢があるか

営業が難しくなった物件、あるいは営業日数が大きく減った物件について、一般に考えられる選択肢を整理します。それぞれに事情があり、どれが良いかは物件によって変わります。

1. 売却する

最も分かりやすい方法ですが、民泊向けに設備を入れた物件は、住宅として売るときにその投資が価格に反映されにくいことがあります。

2. 通常の賃貸に戻す

居住用の賃貸に戻す方法です。安定しますが、民泊として見込んでいた収入とは水準が変わります。区分所有の場合は管理規約の確認も必要です。

3. 旅館業へ切り替える

民泊の日数制限を受けない旅館業の許可を取る方法です。ただし、旅館業の側でも規制が強化されています。大阪市は2026年10月30日施行の条例改正で、宿泊者が施設を使用している間の従業者の常駐を義務づけました。葛飾区も2026年4月から従事者の常駐と1日1回以上の巡回を求めています。中野区も2027年4月施行予定の改正で常駐を義務づける方針です。

豊島区の記者会見資料では、民泊から一部屋旅館へ「鞍替え」する事業者が増えるのではないかという不安の声があることにも触れられており、区は一部屋旅館の実態把握を含めて検討を続けるとしています。旅館業への切り替えは、以前ほど確実な逃げ道ではなくなりつつあります。

4. 宿泊以外の用途に転用する

発想を変えて、宿泊を伴わない使い方を考える方法です。レンタルスペース、撮影スタジオ、教室、体験型の施設などがこれにあたります。泊まらない用途であれば、夜間の騒音やごみといった、今回の規制強化の理由になった問題から距離を置けます。

宿泊以外の使い道の一例:空き家謎解きゲーム

私たちが運営している空き家謎解きゲームも、宿泊を伴わない使い方のひとつです。一軒の家をまるごと舞台にして、参加者が家じゅうを探索しながら謎を解く体験型のゲームです。

民泊が問題視された理由と照らすと、性質がかなり違います。

民泊で問題になった点空き家謎解きゲーム
宿泊あり(夜間に人が滞在する)なし
時間帯夜間を含む土日祝の日中が中心、1日4公演
管理無人運営が苦情の一因運営中はスタッフが現地にいる
利用者不特定の宿泊者が入れ替わる事前予約した組ごとの貸切

ただし、住宅を有料の体験施設として使う場合の扱いは、用途地域や建物の条件によって物件ごとに確認が必要です。「謎解きなら住宅地でも営業できる」と一律に言えるものではありません。この点は当社が個別に確認します。

空き家謎解きゲームは、物件探し・ゲーム制作・集客の仕組みを本部が担い、加盟者の皆さまには運営を担当していただく形です。静岡の第1号物件では、プレオープンのチケットが4時間で完売しました。現在稼働中の第1作『おばあちゃんが残した遺産の謎』は、怖がらせる演出のない探索型で、謎解きが初めての方にも楽しんでいただける内容です。

出典

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