実家の空き家、荷物が残ったままでも貸せる?片付けずに活かす方法

陽の差し込む和室のイラスト。箪笥や荷物がそのまま残されている

公開日2026年11月2日

親御さんが住んでいた家が空き家になったまま、何年も経っている。片付けなければと思いながら、押し入れや箪笥の中身を見ると手が止まってしまう。そんなお話を、私たちはよくうかがいます。

「荷物が残ったままでは貸せない」と思って、そこで止まってしまっている方が少なくありません。けれど、残置物があるからこそ成り立つ使い方もあります。この記事では、一般的な選択肢で残置物がネックになる理由を整理したうえで、実際に家財を残したままお借りしている私たちの事例をお伝えします。

片付けられない、でも放置もできない

空き家の相談でよく出てくるのが、次のような状態です。

  • 家具も食器も、仏壇も、住んでいた当時のまま残っている
  • 何を捨てて何を残すか、兄弟で話し合えていない
  • 遠方に住んでいて、片付けのために何度も通うのが難しい
  • 思い出のある家なので、更地にはしたくない

一方で、空き家のままにしておくと、固定資産税や火災保険料はかかり続けます。庭木が伸びれば近隣に気を遣い、時々は様子を見に行く必要もあります。手をかけないわけにはいかないけれど、かといって決断もできない。この状態が何年も続いてしまうのは、めずらしいことではありません。

一般的な選択肢と、残置物がネックになる理由

空き家の使い道としてよく挙がる3つについて、残置物がどう関わるかを整理します。

選択肢残置物の扱いネックになりやすい点
売却原則として引き渡しまでに撤去が必要撤去費用がかかる。思い出のある家を手放すことになる
通常の賃貸空の状態にして引き渡すのが一般的撤去費用に加え、内装の手入れも必要になることが多い
解体建物ごと処分するため撤去が必要費用が大きい。建物がなくなると固定資産税の扱いも変わる

どの道を選んでも、まず「片付ける」という工程が立ちはだかります。一軒分の家財の撤去には、数十万円かかることもあります。金額もさることながら、何を残すかを決める作業そのものが重いという方が多いのです。

残置物をそのまま活かせる使い方がある

ここから先は、私たちの実体験です。

🔖【要確認】以下の「第1号物件の経緯」の章は、事実関係の確認をお願いします。時期・やり取りの内容・表現に修正があればお知らせください。

不動産会社を通しては、見つからなかった

空き家を使った謎解きゲームを始めようと決めたとき、私たちはまず不動産会社に相談しました。ワンルームや空き家を探してもらおうとしたのですが、これが思うように進みませんでした。

「近隣の目が気になる」「住む場所なのでゲームには使えない」。返ってくるのは、そうした言葉でした。前例のない事業だったため、業者を通すとどうしてもリスクの方が先に立ち、話が前に進まなかったのです。

きっかけは、店内に貼った1枚のチラシだった

転機になったのは、当社が運営する謎解きカフェの店内に貼っていた「空き家募集」のチラシでした。それを見たオーナー様から、2025年12月にメールでご連絡をいただきました。

最初のご相談は、こういう内容でした。

祖母が亡くなって空き家になった家に、物が残っているのですが大丈夫でしょうか。

私たちにとっては、願ってもないお話でした。謎解きゲームにとって、生活の跡が残っている家は、何もない部屋よりもずっと価値があるからです。

残っていた家財が、そのまま作品になった

結果として、家に残されていた家財はそのまま活かすことになりました。それどころか、第1作『おばあちゃんが残した遺産の謎』は、この家から着想を得て制作したものです。引き出しの中身も、箪笥も、台所の棚も、物語の一部として使われています。

プレオープンのチケットは、4時間で完売しました。

片付けなければ貸せないと思われていた家が、片付けなかったからこそ成立した。そういう事例が、実際にあります。

なぜ残置物が歓迎されるのか

空き家謎解きゲームは、一軒の家をまるごと舞台にして、参加者が家じゅうを探索しながら謎を解く体験型のゲームです。引き出しを開け、棚を調べ、押し入れをのぞく。その行為そのものが遊びの中心にあります。

何もない空っぽの部屋では、探す対象がありません。暮らしの跡が残っているからこそ、参加者は「誰かの家に入り込んでいる」という感覚を持てます。残置物は、私たちにとって片付けるべきものではなく、舞台装置なのです。

もちろん、どうしても置いておきたくないもの、人様の目に触れてほしくないものもあるはずです。そうしたものは、お引き取りいただくか別の場所に保管する形で調整します。すべてを残していただく必要はありません。

なお、民泊として使っていた物件の活用をお考えの方には、【2026年版】民泊規制まとめもご参考になるかもしれません。

お貸しいただく条件

現在、空き家をお貸しいただけるオーナー様を募集しています。主な条件は次のとおりです。

項目内容
賃料月額 30,000円
契約期間2年以上
残置物そのままで構いません(むしろ歓迎します)
水道光熱費当社が負担します
必要な広さ居間+4部屋程度
改装大規模な改装は行いません

運営中はスタッフが現地にいます。営業は土日祝の日中が中心で、1日4公演。宿泊は伴いません。オーナー様ご自身が家に立ち入ることに制限はありません(謎解きの公演中を除きます)。

なお、住宅を有料の体験施設として使う場合の扱いは、用途地域や建物の条件によって物件ごとに確認が必要です。この点は当社が個別に確認しますので、まずは家の状態をお聞かせください。

ご相談いただいた時点で、お貸しいただくことが決まるわけではありません。「こんな家でも使えるだろうか」という段階で結構です。